2020年『英語/プログラミング』の小学必修化で学びが変わる

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2020年から小学校で『英語』『プログラミング』が必修化されます。その内容に中学校・高校の変更点を加えてまとめました。

英語の必修化

小3.4から始まるが成績はつかない

2020年から、小学3年生・4年生で英語が必修化されます。

ただし授業が始まるといっても外国語『活動』なので、成績には反映しません。聞いたり話したりすることで、英語に親しんでいく内容になります。

【年間35時間】の授業が加わる(合計の授業時間数が増える)ことになり、週1〜2回程度、英語の授業が行われます。

小5.6からは教科化され成績がつく

小学5年生・6年生では英語が『教科化』されるので、成績がつくようになります。中学校の国語・数学・社会・理科・英語のようなイメージです。

小3.4の『聞く』『話す』に加えて、『読む』『書く』ことも学ぶようになり、【年間70時間】の授業が追加されます。

教科書改定に合わせて学ぶ単語数が増え、【現行:中学1,200語】から【小学600語+中学1,600語】と大幅に増えることになります。

大学入試でリスニングの配点が50%に

最終的なゴールともいえる大学入試ですが、2021年1月から実施される『大学入学共通テスト』では、リスニングの配点が大幅に増えます。

【現行(センター試験)】筆記200点 + リスニング50点
【2021年以降】リーディング(筆記)100点 + リスニング100点

このように、リスニングの配点が【現行:20%】から【2021年以降:50%】となり、リスニングの占める割合が大幅に増えます。

2019年11月に文科省から「民間試験導入の延期」が表明されましたが、将来的には『スピーキング』も含めた4技能を問われるようになります。

プログラミングの必修化

小学から必修化だが成績はつかない

2020年から小学校で『プログラミング』が必修化となりますが、新たに教科が増えるわけではなく、算数や理科といった、今ある教科の中に取り入れて学ぶことになります。

「プログラマーの育成を目指す」といった類のものではなく、『プログラム的思考を学ぶ』ことが目的なので、必ずしもタブレットやPCを使うというわけではありません。

中学・高校では重要度が高まる

中学校では、2021年から新しい学習指導要領が全面実施され、『技術』の教科の中で、プログラミング教育に踏み込んだ内容を学ぶことになります。

高校でも、2022年から新しい学習指導要領が全面実施されます。
現在は「プログラミングを避ける教科選択」が可能で、そういう選択をする人が多かったのですが、実施後は教科選択に関係なく、高校生全員がプログラミングを学ぶことになります。

大学受験の教科となる可能性

政府は将来的に、国語や数学などに加えて『情報』という科目を追加する方針を明らかにしています。

新しい指導要領で学ぶ高校生が受験する、2024年以降の『大学入学共通テスト』。そこから「国語・数学・英語…」に並んで「プログラミング」が受験に必要な教科となるかもしれません。

実際の英語とプログラミングの教育

英語を学ぶ

1クラスあたり20人以上いる小学校で、それも英語に慣れていない生徒たちが十分に英語でコミュニケーションを取り合うのは難しいことです。もちろん学校の先生方は懸命に準備していらっしゃるのですが、形として出来ることに限界はあるように思えます。

『英会話スクール』に通えば、学校よりも少ない人数で英会話を学べ、英検の対策まで行えます。近年では『オンライン英会話』を自宅、あるいは教室で学ぶ選択肢も増えました。

英会話スクールは直に触れ合えるのが魅力ですが、1対多数が一般的で、1対1になると料金が割高になります。オンライン英会話であれば、1対1であっても料金が抑えられるので、利用の仕方によっては密な英会話を割安に受けられるメリットがあります。

もっと気軽に始めたいという人には、『タッチペン』を利用した自学形式の学習塾や、『タブレット』を利用した自宅学習が受けやすいと思います。

やはり足りない部分は、外部の教育サービスで補うのが現実的に思えます。

英語の行き詰まり

現在の小学校の英語や英会話スクールでは「英語によるコミュニケーション」を学ぶのですが、中学校の定期テストになると「教科書に出てきた”英単語”や”英文”を暗記し、書き出すこと」が求められます。

そのような背景から、中1の終わり〜中2のタイミングで「発音はわかるけど、スペルが書けない」「会話はできるけど、英文が書けない」という生徒が増えてきます。「英語の理解はできても、書き出すことができない」と伸び悩んでしまうのです。

先ほどの必修化で触れましたが、これから必要とされる単語数が【現行:中学1,200語】から【小学600語+中学1,600語】と大幅に増えるので、その問題に拍車がかからないかと心配しています。いくら4技能が問われるようになるとはいえ、急に定期テストで求められるものが変わるとは思えないので、注意が必要です。

プログラミングを学ぶ

現在、プログラミング学習の中心にあるのは『Scratch(スクラッチ)』というアメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)が開発したフリーソフトだと思います。

Scratch - Imagine, Program, Share
Scratch is a free programming language and online community where you can create your own interactive stories, games, and animations.

プログラミング学習といっても、複雑なコードを打ち込むわけではありません。ブロックを配置するだけの「ビジュアルプログラミング」という形式で、将来つかうプログラミング言語の基礎を学ぶことができます。

その形式にのっとって『KOOV(クーブ、SONY開発)』『QUREO(キュレオ、サイバーエージェント開発)』といったようなプログラミング学習サービスが、多数存在しています。

例をあげれば切りがないのですが、プログラミングすると組み立てたロボットが動く『KOOV』のようなサービスは、どうしてもパーツ代がかかるので料金が高くなりがちです。その点、『QUREO』のようなタブレットやPCで完結するサービスは、料金は抑えられるメリットがあります。

小学校で必修となるプログラミングは、直接的にプログラミングにつながる学習はしないに等しいので、本格的に学びたい人は外部サービスを利用せざるを得ません。

最後に

私自身もまだまだ勉強中なのですが、動向ということでまとめました。

教育の現場から実情を見ていると、政府の掲げる理想と、小・中・高校の現実には大きな差があるように感じています。

上記では触れませんでしたが、2021年の中学校『新学習指導要領の全面実施』に合わせて、授業がすべて英語で行われるようになるそうです。

「誰が教えるのか?」
「どのように評価がつけられるのか?」
「高校受験への影響は?」

疑問で一杯です。

個人的には、すべてを『受験を通過するための勉強』だとは思っておらず、『英語やプログラミングを通してどう成長するか』の方が大事だと思っているのですが、このままでは混乱に巻き込まれる生徒が多くなってしまいそうです。

教育改革が、子どもたちの未来につながるものであってほしいですね。

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