2020年4月から│私立高校の実質無償化により進路選択が変わる

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2019年7月7日(日)の熟長会にて、創成高校の崎田先生より『私立高等学校の授業料の実質無償化』についてお話しがありましたので、詳しく取り上げます。

「私立高等学校授業料の実質無償化」について(2020年4月から):文部科学省

私立高等学校の授業料の実質無償化ってなに?

文部科学省のWebサイトから引用
http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/mushouka/1418201.htm
  • 2020年4月から、私立高校等に通う生徒の「就学支援金」の制度改正が行われる。
  • 年収目安590万円未満世帯の生徒を対象に、上限額が引き上げられる。
  • 引き上げた後は、授業料に対してMAX40万円の支援を受けられる。
  • その結果、実質無償で私立高校に通えるようになる。
  • 授業料以外の経費(入学金など)については対象にならないが、各高校が奨学金の形を変えるなどして対応することが考えられる。

実質無償化によって受験シーンがどう変わる?

公立一択の牙城が崩れる?

「第一志望は公立高校」という人が大多数の、北海道公立高校入試。そうなる理由はおわかりですね。私立高校の学費が高いからです。

その学費の差が、実質無償化により縮まります。入学金などの諸経費は公立高校よりもかかるのですが、それを払ってでも回収できるほどのメリットが私立高校にはあると、私は考えています。

まずは「私立高校の塾化」、以前に記事には書いたのですが、私立高校の中でワンストップで塾のようなサービスが受けられます。そういった学習環境については、私立高校に分があります。

そして私立高校は、地下鉄駅から近く通いやすい立地であることが多いのも魅力です。交通費や移動時間を考えると、最寄りの私立高校が魅力的に感じる人も多いのではないでしょうか。

このような理由から、公立高校一択の牙城が崩れていくのではないかと考えています。

実績が高い私立高校に人が流れる?

同じような学力の公立・私立高校を見比べると、私立高校の方が進学実績が高い場合があります。それは、内部進学の枠や、指定校推薦という他校への進学枠を確保しているからです。

また【選抜・特進・進学】など学部の幅が広い高校では、進級するタイミングで上の学部に上がるチャンスがあります。

高校に入ってから本気を出して勉強し、持ち前の能力を発揮する…そういった遅咲きの生徒にとっては、私立高校の方が適した環境といえるかもしれません。

公立/私立で選ばずに、実績で高校を選ぶ人が増えてくると予想しています。

東西南北+人気校と私立に倍率が偏る?

それでもやはり、東西南北は負けないでしょう。学力の高い生徒が集まっているので、上を目指す人にとっては最高の環境です。

そして、新川・平岸などの人気校、校風としては「明るく・自由で・楽しい!」という学校も、引き続き支持されるでしょう。

これからどうなるかわからないのが、現在の標準問題を採択しており、すでに倍率が1.0倍、あるいはそれを切っている学校です。

「授業料が変わらないなら、内容が充実していて、設備整っている私立高校が良い!」といったように選ぶ人が増えてくれば、倍率の偏りに拍車がかかってくるのではないかと考えています。

無償化は歓迎すべきことか?

私は、大歓迎すべき出来事だと思っています。

私立高校さんとお付き合いが深くなりわかったのですが、私立高校の先生方は「どうすれば魅力的な高校になるのか」と必死に考えています。公立と違い、魅力や実績がなければ生徒が集まらず、経営が成り立たなくなりますからね。その点は、規模は違えど塾と似ています。

無償化になり、私立高校は初めて公立高校と同じ土俵に上がります。公立高校の受け皿としてではなく、純粋に教育サービスの質で比べられるようになります。

学校間の競争が生まれることで質の高い教育を受けられるようになり、結果、進路選択の幅が広がったり、可能性に挑戦できるような環境が整ってくるのではないでしょうか。

そして私たち塾も、その人にとって最良の進路選択をしてもらえるように、公立高校と私立高校をフラットに見る感覚を養う必要があります。「公立高校の上位進学校が実績」という固定観念が変わる時代が、北海道にもうすぐやってくるかもしれません。

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