各先生方、さっそく記事にしておられます。私も衝撃を受けました。以下、ポイントをまとめておきます。
裁量問題の廃止
2022年3月実施分から、難度が高い選択制の「学校裁量問題」を廃止し、基礎的な内容と、思考力などを問う高難度の内容を組み合わせた入試問題に一本化すると発表した。
北海道新聞どうしん電子版
現在の北海道公立高校入試は、『標準問題/裁量問題』のどちらかを、各学校が選べる制度になっています。
裁量問題を採択した高校は、国語・数学・英語の3教科の大問が、各教科一つずつ難易度の高いものに置きかわります。配点は各教科、約20点です。
その裁量問題を採用しているのは、実質的に学力が高い進学校、もしくは進学校を目指す学校になります。
現状ではここが問題となっており、300点満点から裁量問題3教科60点分を除くと240点くらいになるのですが、予想される合格最低点が240点のラインをいつも超えてくる高校は、東西南北高校くらいなのです。
つまり、形の上では裁量問題という難しい問題を用意したのですが、東西南北を除く高校では裁量問題60点分の合否への影響は少なく、それを除いた240点で合否が決まっているという状況でした。
それを考えると、今回の廃止決定は当然なのかもしれません。
点数と時間の変更
原則5教科の入試配点は、合否判定のため、現在の1教科60点満点から100点満点に変更して点数差がつきやすくする。試験時間は1教科45分間から、50分間に延ばす。
北海道新聞どうしん電子版
試験時間が5分伸び、満点が40点増えるということは、問題数が増えることが予想されます。
問題数が増えるということは、易しい問題から難しい問題まで、幅広く出題しやすくなるということです。
まず出題について考えられるのが、東西南北高校への配慮です。
裁量問題の導入以前は、東西南北の合格点が9割、あるいは9割を超えるような状況でした。9割ということは、60点満点で54点以上という高得点です。1教科2〜3問しかミスのできないようなシビアな入試で、学力をはかるという意味では疑問も残る試験制度でした。
そもそも裁量問題が導入された経緯には、この東西南北への配慮が少なからずあったと思っています。そのため、裁量問題が廃止された後も、難易度が高い問題は一定の分量で出題されると考えています。
そして、東西南北以下の高校への影響について。
今までは正直申し上げて、そのレベルに達していない高校も裁量問題を採択していました。その結果苦しんでいたのが、受験生です。
標準問題は基礎レベルの出題が多いため得点できるが、裁量問題になった途端に歯が立たなくなり伸び悩んでしまう。結局は合否に関係がないので、裁量問題は無視することになる。そのような状況が学力下位の高校ほど生まれており、何のための裁量問題なのかと疑問でした。
裁量問題が廃止され出題のバランスが良くなることで、志望する高校に見合った勉強、目標点に合わせた勉強がしやすくなると思います。
今の2019年時点の中1の人から、新しい入試制度での公立高校入試となります。特別に焦る必要はありませんし、勉強の仕方が大きく変わるわけではありません。
それでも「心配…!」と感じる人も多いかと思いますので、新しい入試制度に対応するための勉強方法は、また別の機会に紹介していきます。
北海道札幌市で塾の先生をしつつ、家庭教師の派遣・Webサイト作成・チラシ作成など、幅広くお仕事させていただいています。
『情報発信の可能性を探りたい』などとゆる〜く考えながら、自由気ままにブログを綴っています。
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